コアウッド(Acacia Koa)という木をご存じでしょうか?

コアの木とは:

【学名】 Acasia Koa
【ハワイ名】 Koa,Koai'a,Koai'e,Koa'oha
【英名】 Hawaiian Mahogany

ハワイにしか自生せず、王族にも珍重された神が宿る木、コア。 コアは、ハワイでも標高の高い一部の地域でしか育たないのに加え、成長するまでに40〜50年の歳月を要する貴重な樹木です。 古代から伐採するときは、神が宿る神聖な木として荘厳な儀式が執り行われたと言われます。

かつては王族のためだけに用いられハワイにおいて最も価値の高い木がコアの木でした。 ハワイアンたちはコアの優れた美しさと耐久性を尊重し、王家の調度品の多くはコアで作られました。 1980年代にはコア製品の人気が沸騰し、過剰な伐採のため、コアは絶滅の危機に瀕しました。 その後、ハワイ政府がコアの樹林を保護地区に指定し、保護することになりました。 そのため、現在では数に限りがある最高級木材となっています。

コアのなだらかな木目や深みのある色合い、磨くほどに増す品のいい艶やかさ・・・言葉ではなかなか言い表せませんが、その美しさには秘密があります。

それはコアが育つ環境です。 コアの木は、ハワイでも標高の高い一部の地域、主にハワイ島とカウアイ島の丘陵地帯(標高1000m以上)に多く生息しています。 そのため、山の上部斜面で育つことが多く、強い風雨にさらされることになります。 しかも、コアの木は成木となるまでに50年もかかり、しばしば樹齢400年にも達します。

その長い年月の間に、強い風雨の影響で不規則な形状で伸び、育ちます。 このため、年輪が一定ではなく、切り出された木目がすべて異なるのです。 昔、溶岩が流れ出た地域から生えるので、流れ出る溶岩のように美しい金色がかった木目が育つと考えられています。 見る角度によって光沢がかわり、木によってまったく違う表情がある。 黄金から深みがかった赤までに実に様々な種類の色彩があります。


entry hall 大変美しい木目を持ち、ハワイアンマホガニーともよばれている木。 また、この木はとても堅くて耐久性に優れていることでも群を抜いており、ハワイではカヌーやサーフボードは伝統的に、このコアウッドで作られています。

19世紀中頃のハワイの作家、デビッド・マローによれば、「カヌー作りは宗教儀式以外のなにものでもない」。 森の中で、これは、というコアの木を見つけたとき、まず、地区の僧侶にそのことを告げます。 僧侶はその夜、夢占いをおこないます。 夢の中に、裸の人間が現れたとき、その木はどこか不具合があると見なされ、木を伐採するのは中止になります。 逆に、着飾った男女が現れたとき、その木は祝福されていると見なされ、豚や魚、ココナツなどを捧げた上で伐採の祭事にとりかかります。 また、王族のカヌーを作るときには、コアの木の下に人柱を捧げたりしたこともあったようです。

神聖な儀式を経て切り出されたコアウッドは、石斧や手斧を使って削られます。 こうして作られたコアウッドのカヌーはしばしば、風の精霊の力を得て不思議な力を持ち、全く風が吹いていなくても、鮫よりも速く進むことができたりするのです。

「コア」はカヌー、サーフボードなどばかりでなく、丈夫な硬木であることとその色の美しさから、昔よりハワイの人々に愛され、生活のさまざまな面で活用されてきました。 家屋建材に使われていたこともあり、ホノルルのダウンタウンにあるイオラニ宮殿の床や吹き抜けの階段にもコアの木が使われ、年月の経過とともにその色目は益々深みを増しています。

今もなお家具やカヌーのような大きなものから、ウクレレ、絵画の額、写真立て、ボウル、小物入れ、ジュエリー・ボックスなどの小さなものまで様々な工芸品がコアの木で作られています。 長く使えば使うほどその美しい色が味わい深いものになるコア製品はウェディングのギフト、お祝い品など長く残したい記念の品によく用いられています。